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もやもや

もやもや

【投稿日】 :2012/1/2
【カテゴリ】:スカトロ(大) 我慢
【あらすじ】:朝トイレに行き忘れた女の子の話
木枯らしが吹く。
家の前の道に散らかる落ち葉を掃き集めていた老婆は、思わず身を震わせた。

(うう、寒い寒い)
空を見上げると、鈍色の重い雲が厚く積み重なっている。
まだ晩秋とはいえ、この冷え込みでは気の早い雪が舞いはじめてもおかしくない。

「おばちゃん、おはよっ!」
再度落ち葉に意識を戻しかけたところで、背後から声をかけられた。
振り向くと、よく見知った顔だった。隣の家の女の子二人のうちお姉ちゃんの方、
絵美がニコニコして立っている。
髪をポニーテールにまとめた活発な雰囲気を放つ、将来美人になりそうな
顔立ちの整った少女である。
「ほら、絵里もおばちゃんに、おはようって挨拶しな」
そして彼女の陰から、絵美よりだいぶ年下の女の子が顔を出した。
「……おはよ」
絵美の年の離れた妹、絵里。
こちらも黒目がちの猫目が特徴的な、お人形さんのような可愛らしい少女であるが、
若干人見知りの気があるようでその表情は固い。

「あら、絵美ちゃんも絵里ちゃんもおはよう。今から学校?」
「そうですっ。いってきまーす」
「いってらっしゃい。気を付けてね」
二人が並んで遠ざかっていくのを微笑みながら見送って、
今度こそ止めていた手を動かす。
どんなに寒くても、やっぱり子供は元気だ。負けてられない、と思った。


「うーん、やっぱ今朝は寒いなー」
「えりは、ちゃんとコート着てきたからさむくないよ」
「いいなー。私も着てくればよかった」

通いなれた通学路を、並んで話しながら歩く。
いつもと同じ道。いつもと同じ姉。いつもと同じ朝。
だというのに絵里はどうしても、なにかが「へん」だという感じを
捨てられなかった。
なんだろ、と少し考えると、突然答えが浮かび上がってきた。
(うんち、してくるのわすれちゃった)
いつもなら登校直前にトイレに飛び込んで済ましてくるはずの大便を、
今日は急いでいてしてこなかったのである。
(だいじょぶ、だよね)
一日くらいなら、ウンチをしなくても我慢できるはず。いや、しないといけない。
学校でウンチするなんてしたら誰かにばれて、からかってくるかもしれないから
絶対にいや。
絵里はコートの上から、少しもやもやするお腹をなだめるようにそっとさすった。
どうか学校が終わってお家に帰るまで、したくなりませんように。

「どしたの?ぼーっとして」
様子を不審に思ったのか、絵美が顔を覗き込んでくる。
一見がさつに見えて、意外と面倒見がいいのである。
「なんでも――」
ない、と言おうとした時、背中に、ぞくぞくっ、と不吉な寒気が走った。
続いて、おしりの穴の内側が、むうっと膨らむ感じ。
毎朝感じるごくありふれた、けれど今は本当に来てほしくないあの感覚。
(どうしよ……うんち、きちゃった……!)
お腹の奥から押しよせる波に、おしりをぎゅっとしめて対抗する。
そのせいでひょこひょこと変な歩き方を始めた絵里をしげしげと眺め、
絵美は納得の笑みをうかべた。

「あ、わかった。ウンチしたくなったんでしょ。今朝トイレ行かなかったから」
伊達に一つ屋根の下で暮らしてはいない。見事な推理である。
その通りには違いないのだが、得意げな言い方に少しむかっと来て、
絵里の口は心と違う言葉を吐いた。

「……したくないもん」
「うっそだー。ほら、あそこでトイレ借りてきなよ」

絵美が指差す先には、過去何度か立ち寄ったことのあるコンビニがあった。
確か、あそこにはトイレがあったはずだ。
前に、買い物の最中に催して借りたことがある。
本当は行きたい。行って、トイレを借りて、うんちしたい。
けれど今更、姉のいいなりになるのも悔しかった。

「うんちなんて、したくない!」
半分自分に言い聞かすように、絵里は言い切った。
絵美にしてみれば、せっかく親切で言ったことを一蹴された形なのであまり面白くない。
「ふーん、じゃ勝手にすれば。学校に行ってからしたくなっても、お姉ちゃん知らないから」
そう言われてみて絵里は一瞬不安になった。
授業中便意に襲われて苦しむ自分の姿が、頭の中にちらついた。
しかし、喉の奥からせり上がってきた「やっぱりトイレ行くっ」というセリフを
意地で無理やり押さえつけて、絵里は黙って歩き続けた。
コンビニの前まで来ても、完全に背後に消えるまでそちらを見ないようにした。
絵美も、今更何を言っても無駄だと悟って、何も言わずに並んで歩いた。

そのうち、絵里の便意はだんだんしぼんでいき、
学校に着くころには「お腹が少しきもちわるい」程度まで小さくなった。
これなら、帰るまで我慢できる。
絵里は少し明るい気持ちになって、校門をくぐった。


結局、一時間目が過ぎて二時間目が終わり、三時間目、四時間目も通り越しても、
恐れていた便意の襲来はなかった。
授業終了のチャイムが鳴り、教室は給食とそれに続く昼休みへの期待で、
明るい騒がしさに満ちている。
しかし、絵里の表情は晴れなかった。
朝の「お腹が少しきもちわるい」が、あれからいつまで経ってもまとわりついて
離れないのだ。
初めは気にならない程度だった違和感も、積もり積もってもはや
「少し」ではなくなっていた。
おへそから下のあたりが今日の空のようにどんよりと重くて、
一緒に気持ちまで重くなってくる。

(うんち出したい……)
不快感に耐えかねて、机に突っ伏す。
時間的な問題でいえば、トイレに行くチャンスは今まで何回もあった。
授業の間には休み時間があるし、さらに二時間目と三時間目の間には
中間休みと呼ばれる二十分の猶予がある。
給食当番が配膳の準備をしている今だって、行こうと思えば急いで席を立って、
用を足してくることもできるだろう。

だが、やはり学校で大きい方をすることの恥ずかしさは乗り越えられない。
漏らしそうなくらいに切羽詰っていれば別だが、気張ったら出るかも、
くらいの今の感じでは、どうしても勇気が出せない。

朝捨てるはずだったバナナ二本分の忘れ物と、それが生み出すガスという先客で
すでにお腹がいっぱいで、当然食欲はわかなかった。
食パンにスパゲッティ、シチューにオレンジゼリーという、
絵里の好きなメニューばかりが載った皿が目の前に来ても、
あまり手をつけることができなかった。何を食べても妙に油っぽく感じて、
少し吐き気までした。

「えりちゃん、だいじょーぶ?おなかいたいの?」
一向に減らない絵里の皿の中身を見て、同じ班の友達から心配の声が上げる。
「……ううん、へーき」
正直、あまり平気じゃない。気持ち悪い。
お昼休みになったら今度こそトイレに行かなくちゃ、と決心を固め、
絵里はシチューを一さじすくって無理やりお腹に押し込んだ。

図書室に行こう、と誘ってくる友達をごまかして振り切るのに時間がかかってしまって、
教室を出るころにはお昼休みは残り半分になっていた。
階段で一階まで降り、廊下を少し歩いた理科室の隣。
絵里の知る限り、学校で一番使う人が少ないトイレ。
その扉を押しあけると、芳香剤の匂いを含んだ重く湿った空気に出迎えられた。
サンダルに履き替え、二つしかない個室の手前側に入る。
誰が入っているかわからないように、名前と学年がしっかり書かれた上履きも
一緒に持っていくことにした。

和式便器をまたぎ、ズボンとパンツを降ろしてしゃがみこむ。
おしっこの時と同じ動作なのに、ここが学校で、今からウンチをするのだと意識すると
何だかどきどきした。
あとはお腹に力をこめさえすれば、苦しいお腹からやっと解放される。
しかしいざそんな状況に置かれると、なかなか踏ん切りをつけられなかった。
あと五時間目と掃除と帰りの会が終われば、家に帰れる。
ここでウンチをして誰かに見つかる危険をおかすよりも、家のトイレで
気兼ねなくするほうがいいのではないか。
しばらく迷ったが、早くすっきりしたい気持ちの方が少しだけ勝ったので、
意を決して軽く息んでみた。

「んうっ……」

ぶうーっ!

大きなおならが出てしまってどきっとしたが、
トイレには絵里のほかに誰もいないのだ。気にする必要なんかない。
それよりも、ガスが抜けてお腹が少し軽くなったのがうれしかった。
それに給食を食べてお腹が動いたせいか、もう何度か踏ん張れば出せるところまで
ウンチが降りてきている気がする。
次はもうちょっと強く気張ってみよう。そう思って大きく息を吸い込んだところで
個室の外から音がして、絵里はびくっとして振り返った。
ドアが開く音と、複数の足音。話し声。誰かが、トイレに入ってきた。

「あーあ、実験ってめんどくさいよね」
「そう?あたし好きだよ、おもしろくて」
「実験やるのはいいけどさ、終わったあとビーカー洗うのとか、水道の水超冷たいじゃん」

声の感じと話の内容から、五時間目に理科室を使う上級生がおそらく三人。
間の悪さにイライラしながら、絵里はウンチを中断せざるをえなくなった。

「あれ、一つ閉まってる」
「いいよ、先入って。あたしたち待ってるから」

隣の個室に入れ替わりで入って、小用を足していく。
その間、絵里は息をひそめて侵入者の用向きが終わるのをじっと待った。
三人目が水を流したあたりでまたおならがしたくなってきたが、
今は我慢するしかない。
これで全員用を済ませたのだから、トイレから出ていってくれる。
あとちょっとの辛抱だ。
しかし予想に反して、扉の向こうの話し声はやまなかった。
担任の先生のうわさについて、楽しそうに笑い合っている。

(もおっ、はやく出てってよ……えりうんちしたいのっ……!)
そんな思いが通じたのか、やがて三人のうちの誰かが、
もうすぐ授業だから理科室行こう、と言い出した。
これでやっとウンチできる。外への扉が開く音を、絵里は待ち望んだ。

「そういえばさー」
足音に混じって、また声がした。
「あの個室、ずっと閉まってるね。わたしたちが入ってきてから」
「あ、そういえば……たしかに長いね」
「もしかして、ウンチしてたりしてー」

顔がかっと熱くなる。
三人と絵里の間には個室の壁があるし、絵里のおしりから茶色い証拠は
まだ産み落とされていない。
それでも、言い当てられてしまうと心臓がどきどきして苦しくなった。

あーそうかも、だめだよ聞こえちゃうよっ、あはははっ、などと騒ぎながら、
侵入者たちはようやく外へ出て行ってくれた。
待ちに待ったチャンスが来たというのに、もう絵里はウンチをする気になれなかった。
ためらいながらしゃがんでいるうちに、廊下から予鈴が聞こえてきた。
そろそろ戻らないと、授業が始まってしまう。
(もういいもん、おうちまでがまんするっ)
全く汚れていないおしりを一応紙で拭いて流し、個室から出る。
イライラをぶつけるように勢いよく閉めた扉は、ばたん、と大きな音をたてた。

五時間目の授業の内容は、あまり頭に入ってこなかった。
午前中感じていたお腹の重苦しさに加えて、お尻の奥に栓が詰まっているような
不快感がある。
それはたぶん降りてきたウンチで、少し気張れば体の外に押し出すことができると
わかっていても、授業中ではどうしようもない。
さらに困ったことに、おならをしたくなることがやけに多くなった。
我慢しているとお腹の中に戻っていくのはいいのだが、
そうやって溜まったおならがお腹の中で膨らんで、苦しくて仕方がない。
しまいには、おへその下のあたりがしくしく痛むようになった。

お腹が痛い。おならがしたい。ウンチを出したい。
周りのみんなは、絵里のそんな苦しみを知らない。
お気楽な顔をして授業を受けている。
誰も、絵里を助けてくれない。自分でなんとかするか、苦痛にじっと耐えるしかない。
そして絵里は、耐える道を選んだ。

絵里の体感ではカタツムリのように遅かったけれど、
時計の針は確かに少しずつ進んでいた。
授業。ウンチのことばかり考えてぼうっとしていたら、急に問題を解くように
言われてあせってしまった。
掃除の時間。お腹が痛くてあまり動きたくなかったが、がんばって教室の床を掃いた。
帰りの会。おならを我慢しつづけていたらお腹からごぼごぽごぽっ、と
気体が暴れるすごい音がして、隣の席の子に笑われて恥ずかしかった。
下校。友達に用事があるからといって、一人で早足で帰った。
途中で何度か物陰に隠れて、こっそりおならをした。

そしてついに、絵里は自分の家の前まで帰ってきた。
玄関をくぐり、ランドセルをそこに置き捨てる。

「あら、絵里ちゃん帰ってたの?おかえりなさい。おやつは冷蔵庫に入ってるから――」

居間から顔を出した母親が見たのは、廊下突き当たりのドアの向こうに消える
娘の背中だけだった。
ただいまの代わりに、やや乱暴に扉の閉まる音が返事をする。

(あらあら、よっぽどピンチだったのかしら。あの子ったらコートも脱がないで……)
少し心配になって、トイレの前で耳をすます。
乾いたおならの音が断続的に聞こえてくる。
どうやらお腹を下しているわけではないらしい。
そういえば今朝、大きい方をしていかなかったようだ。
つまり学校でウンチできなくて、家まで持って帰ってきてしまったんだろう。
本当はそれを叱るべきなのだろうが、排泄を友達に知られるのを恥じらう様子を
つい可愛らしいと思ってしまう。
ほんのこの間まで外出先でも「ママうんちでたー」なんて大声で
叫んでいたと思ったのに、いつの間にか、少しずつ確実に大人に近づいている。
母は床に転がったランドセルを拾い上げ、鼻歌を歌いながら階段を昇って行った。

個室に入った絵里の最初の仕事は、ズボンのボタンを外すことだった。
おならを我慢しすぎてぱんぱんに張ったお腹のせいで胴周りがきつくて、
それに少し手間取ってしまった。
下着と一緒にふとももあたりまで押し下げ、便座に腰を下ろす。
カバーのもこもこした感触と温熱便座の温かさが裸のおしりから伝わってくる。
やっとお家に帰ってきたんだ、という実感がわいて、今日学校でずっと感じていた、
お腹から来るイライラが溶けていくのを感じた。

「んんっ…………」

ぶうーっ!……ぷっ……ぷすっ………ぷうっ!

お腹に力を入れると、溜まっていたおならが少しずつ漏れだしてきた。
もう、音も臭いも気にしなくていい。我慢なんて必要ない。
したくなったらしたいだけ、ぶうぶう垂れ流すことができる。
出せる幸せを噛みしめながら、絵里は順調にお腹の中身を吐き出していった。
漂う濃いめの臭いも、今はそんなにいやじゃなかった。

おならを全部出し終えると、おしりには固い異物感が残った。
一日じゅう苦しめられたにっくき敵と、やっと決着をつけることが出来る。
息を大きく吸い、吐く、また吸って体の中に溜める。
肝心のウンチは、まだ便意を呼ぶほどには降りてきてはいない。
降りてこないなら、お腹の奥から絞り出してしまえばいい。
体を前に倒してひじをふとももにつける、力の入りやすい姿勢をとっておいて、
絵里は全力でふんばった。

「ふううんーっ!」

お腹の奥に居座っていた塊がずりずりと下へ移動し始めたのがわかった。
いつもより半日程度長く腸の中で眠っていただけなので、カチカチで出しづらい、
ということはない。
しかし、出たがっているものを送り出すのと、動かないものを押し出すのとでは
使う力の量も異なってくる。
なんとか出口の前まで持ってくるのに、二回ほど途中で休憩を
入れなければならなかった。

「はぁはぁ……くうんんっ」
次の息みで震えるおしりの穴が開いて、とうとうウンチが顔を出す。
いつも朝してるのより、ちょっぴり太くて固い。
大きく押し広げられたおしりに、ぴりぴりした軽い痛みが走った。

ぷりぷちっぷりぷり……

湿った音をたてて、ウンチがスムーズに伸びていく。
先っぽが便器の水たまりに触れるほどになっても、勢いは止まらない。
そのまま水に潜り、とうとう便器の底とおしりが一直線につながっても、
まだまだ止まらない。

「うんんっ」
行き場を失ったウンチの頭は折れ曲がり、水の中でとぐろを巻き始める。
もう力はさほど必要ないとはいえずっと気張り続けているので、
目の前がちかちかする。息が苦しい。
適当なところでウンチを千切ってしまえばいいのだが、
あと少しで全部出し切れる気がする。
このままぜんぶしちゃったほうがきもちいいよ、と自分の声が教えてくれた。

「んいいいっ!」

みちゅみちっ……!ぼちゃんっ!

息を止めるのが限界になる直前、上体を大きく前に倒し、こぶしをぎゅっと握り、
絞りきるように強く息む。
それによってウンチの伸びる速度が上がり、絵里が体の力を抜いて息を吸うのと
ちょうど同時に、おしりからしっぽが吐き出されて着水した。

「はあっ、はあっ、いっぱいでたぁっ」
顔を真っ赤に染め、肩で息をしながら、水洗タンクによりかかる。
息が整うのを待って、半分怖いもの見たさ、もう半分でなぜかわくわくしながら
腰を浮かせて便器の中を覗き込む。

(わっ……すごい、おっきいうんち)
長い長い一本のウンチが何度も体をくねらせ、水たまりを窮屈そうに泳いでいた。
便秘の子ならいざ知らず、毎日快便だった絵里にとって、こんなに大量に出すのは
物心ついてから初めてだった。
こんな物がお腹に居残っていたのだから、具合が悪くなるのも当然だ。
そして気が付けば、お腹にずっと取り付いていた気持ち悪さが、
きれいさっぱり消えている。
それに代わって、体の中に気持ちいい風が吹きこんでくるような爽快感がやってきた。
本当にすっきりした。
学校で耐え続けた苦しみが、すごくちっぽけな事のように思えてくる。
おしりを拭くのも忘れて、絵里はしばらくお腹が空っぽになった快感にひたっていた。


絵里と同じ帰り道を一時間遅くたどりながら、絵美は今朝の絵里との口喧嘩を
思い出していた。

(あの子、まだ意地はってんのかなぁ)
絵里はああ見えて意外に強情なところがあって、喧嘩をしてもまず自分から
謝ったりはしない。
絵美もやっぱり似たようなものなので、この姉妹は普段は仲がいいくせに、
一度言い合いを始めるとたいてい長引くのが常だった。
しばらくはつんつんした妹と顔を合わせなければならないだろう。

(そういえば、あの後大丈夫だったのかな)
あと、ちゃんと学校でウンチできたのかどうかも気になった。
まさかとは思うが、我慢しすぎて漏らしたりしてないだろうか。

「ただいまー」
玄関をくぐると、ちょうど二階から降りてきた妹とはちあわせた。
たぶん、無視されるだろう、と思った。構わず靴を脱ぎかけた頭の上から、
明るい声が降ってきた。

「あ、おねーちゃん、おかえり」
驚いて見上げると、微笑む絵里と目が合った。
まるで朝の出来事がなかったかのような態度に、絵美は少し面食らった。

「今日のおやつ、シュークリームだって。いっしょにたべよっ」
ぱたぱたと台所に駆けていく。なぜか知らないが、やけに上機嫌のようだった。
絵美は少しその理由を考えてみた。そして、結局わからなかった。
絵里は絵里で、絵美とは別に一日学校で過ごしているのである。
何があってどんな気持ちだったかなんて、そんなものわかるはずがない。
小難しいことを考えるのはやめて、絵美はシュークリームをありがたく頂くために
絵里の後に続いて台所へ向かった。


その夜、普段小食な絵里は珍しくご飯をおかわりして、家のみんなを驚かせた。


===========================================
あとがき

あけましておめでとうございます
うっかりだいぶ放置してしまいましたが、今年は月1作ペースで
なんとかアップしていけたらな、と思っております(思うだけ)

ちなみに某ピクシブに便秘の少女を治療する小説が投稿されていたので
読んだのですが、なんというか次元の違いを思い知らされるクオリティでした
私もいつかあれくらい書けたらいいなぁと思いました(思うだけ)
2012年01月02日 | Comments(0) | スカトロノベル
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