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【投稿日】 :2017/12/17
【カテゴリ】:スカトロ(大) 痔 便秘
【あらすじ】:きれぢ



「んっ……、っ……!」
便座に腰掛けて腿の上の拳を強く握りしめ、沙絵子は震えながら息んだ。
いっぱいに開き切った肛門からは野太い黒色の便が三センチほど飛び出し、
久々の外気に身を晒している。
余裕ある朝の三十分と引き換えに得た、六日ぶりの成果だった。

腕時計の長針はまもなく頂上を指そうとしている。
そろそろ車に乗らなければ、学校に向かう電車に遅れてしまうだろう。
沙絵子は少し焦り、つかえている便をお腹の力で無理やり押し出そうとした。

「うぅんっ……!!」

太い。お尻の穴がめくれ上がるような感覚。
このまま出せば、「切れて」しまう。
怯えた沙絵子はお腹の力をゆるめ、

「早くしなさい!何してるの!」
扉の向こうから飛んでくる不機嫌な声。
母親の、ずっと沙絵子を支配し続けている人の声。
恐怖と焦りが体を操り、一刻も早く排便を終わらせようと動きだした。

「んっ……ぐぅっ……!」
便がさらに太さを増す。ぎちぎちに広がった肛門があげる悲鳴を無視し、
強く息む。早く出さないと、お母さんに怒られる。早く。早く。

「いっ……!」
ずきん、と肛門に鋭い痛みを残して、巨大な塊が便器に落下した。
栓は抜けたが、お腹はまだ苦しい。残っている感じがする。

「沙絵子!!」
「いま、行きます……!」
しかし、もう時間切れだ。
ペーパーを手に取り、おそるおそる肛門にあてがうと、
ぴりっと痛みが走った。意を決して、拭いた汚れを見る。
水分が飛んでいたせいで、便はほとんどついていない。
その代わり、中央に真っ赤な染みがある。血。それも、予想より量が多い。
沙絵子は反射的に紙を握り潰し、便器の中に捨てた。
そして慌てて身支度を整え、水を流してトイレを出た。



朝出し切らなかった分は、二時間目後の休み時間に催した。
学校でするのは恥ずかしかったが、便意はかなり強く、
下校まで我慢できそうになかった。
幸い二十分の猶予がある。友達をうまくはぐらかし、
新館への渡り廊下を目指す。
講堂入り口のトイレなら、集会があるとき以外は
めったに使われていないはずだ。

(よかった、誰もいない)
予想通り、たどり着いたトイレは無人だった。
奥の個室に入って、真新しい洋式便器に腰掛ける。
すぐに秘めやかな蕾が震え、ぷう、と小さな音を立てた。
誰も聞いていないとわかっていても、耳が熱く火照った。

(出るっ……!)
おならを出したことで強まった排泄欲に華奢な体を震わせながら、
沙絵子が感じていたのは喜びに近い気持ちだった。
もう栓は抜けている。残りはそれほど苦労せずに出せるはずだ。
経験上、人目を気にしなくていい場所で、お腹に溜まっていたうんちを
もりもり出すのはとても気持ちいいことだと知っていた。

「……、っ」
少し息んだだけで便が降りてくる。
窄まりが開き、焦げ茶色の頭があっけなく顔を出し、

「痛っ……!」
突然、お尻に焼けるような痛みを感じた。
忘れかけていた、鮮やかな血の赤が目の前にちらついた。

そして訪れるはずだった至福の時間は、拷問に取って代わった。
便秘明けの太い便が粘りけのある音を立てて動くたびに、
傷口が擦れて激痛が走る。
三十センチ超の大物を産み落とすまでの永遠とも思える時間、
苦痛にあえぎながら耐えるしかなかった。

むりむりむりぃっ……

「はぁ……はぁっ……!」
水たまりに大蛇が身を曲げて窮屈そうに収まり、ようやく痛みが薄れていく。
震えながら息をつき、無意識にスカートを強く握りしめていた手を開いて
ペーパーを手繰り寄せた。
さほど質の悪い紙ではなかったが、お尻の穴に触れるたびに痛んだ。

沙絵子の頭の中で、一文字の、あの恥ずかしい病気の名前が
ぐるぐると回っていた。
すでにその漢字を読めたし、どういう病気なのか簡単には知っていた。

紙の汚れを見ずに便器に捨て、早々に水を流す。
見なければ、違うかもしれない。すべて気のせいかもしれない。

しかし実際は、渦に飲まれ流れていく便の側面にも、
丸められた紙の中心にも、決して気のせいではすまない量の
血がついていた。
それに何より、教室に戻って授業が始まった後、
国語の小テストに鉛筆を走らせながら、
じんじんと疼く肛門にしばらく悩まされた。

沙絵子は間違いなく、痔を患っていた。



翌日。午前七時十七分発、上り電車の前から三両目。
誰も話をしたことはないし名前も知らなかったが、
毎朝その車両に乗り合わせる乗客はたいてい、沙絵子の顔を覚えていた。
まだ化粧やヘアアレンジで補えない歳でありながら、
美少女と呼んでも差し支えない顔立ちは人目を引いた。

今日の沙絵子はドア横に立ち、外の景色を見ているようだった。
長い睫毛の下、憂いを帯びた眼差しが窓に投げかけられる。
わずかに色づいた白い頬。その横顔は歳に似合わぬ艶を帯び、
叶わぬ恋に悩む乙女のようでもある。

だが、実際に沙絵子がじっと見つめているのは窓に張ってある
痔の薬の広告だったし、悩んでいるのは自分の肛門についてであった。
すごく欲しい。痛くて恥ずかしいこの病気から今すぐ解放されたい。
電話番号が書いてあるが、ここへ電話すればいいのだろうか。

「もしもし……あの、お薬、欲しくて……えっと、お、お通じの時、
痛くて、あと、血も出ちゃって……」

(い、言えない、そんなのっ)
気道がきゅっと締まる。
脳内でシミュレートしただけでこんなに恥ずかしいのに、
本当に電話など出来るのだろうか?

はっと気づいて、沙絵子は顔をあげた。
ずいぶん長いこと、熱心に広告を見ていた気がする。
他の乗客に変に思われないだろうか。
誰かに、痔を患っていることがばれていないだろうか?

頬をさらに赤くして、沙絵子は広告から目をそらして俯いた。
もちろんそれは肥大した羞恥心がもたらした妄想であり、
スカートと下着に覆われた小さなおしりの奥の秘密など、
誰も知ることなどできなかった。
誰も、気づいてあげることができなかった。

(あれ……お腹が……)
学校の最寄り駅で降りてバス乗り場に向かう時、軽い腹痛を感じた。
それはやがてはっきりした便意に育ち、トイレに行くよう促してくる。
慢性的な便秘症のお腹に、二日連続でお通じが来るのは珍しい。
硬くなった便に苦しめられる前に出せるのなら、もちろん歓迎すべきだ。

幸い、沙絵子は「穴場」を知っていた。
駅に隣接する商業施設の、地下駐車場のトイレ。
開店前なのでほぼ無人だし、掃除も行き届いている。
そこへすぐに向かおうとして――昨日の苦痛に満ちた排便を思い出した。
わずか一日で痔が治るとは思えない。
今出せばきっと痛いし、また血が出る。あんな思いはもうしたくない。

それは問題の先送りにすぎないこともわかっていたが、
出さないでいるうちに傷が塞がるかもしれない、という一縷の望みに
すがるしかなかった。

我慢してバスに揺られているうちに、便意は徐々に薄れて消えていった。
学校についても、給食を食べても再び感じることはなく、
そのまま一日過ぎ、二日過ぎ、あっという間に五日間が過ぎた。



その日は朝から秋雨がしとしと降り続き、少し肌寒かった。
三時間目の授業中。沙絵子はぴんと背筋を伸ばして腰掛け、
真剣に教師の話に耳を傾けていた。
真面目な優等生の、いつも通りの授業態度。
ただ、もしその様子を注意深く観察している者がいれば、
時折椅子の上でもぞもぞ動くおしりに気がついたかもしれない。

(かゆい……)
昨日くらいから、突然肛門を痒みが襲うようになった。
ネットで調べたところ、痔の治りかけに来る症状らしい。
家にいる時なら好き勝手に掻けるが、授業中の、みんなの前で
同じ事はできなかった。
出来ることといえば、椅子に押し当ててばれない程度に動き、
痒みをなだめながら休み時間を待ちこがれるくらいだった。

(かゆい……かゆい……!)
授業が終わると、沙絵子は早足で教室を出て、例の講堂横のトイレに飛び込んだ。
左手で鍵をかけながら、右手の指はもうスカート越しの窄まりを押さえて
ぐにぐにと弄っていた。
無人のトイレの、さらに四方を目隠しされた個室の中では
羞恥心もなりを潜めていた。

「ふー、ふーっ……」
痒くてたまらないのを我慢させられた後に思い切り掻きむしるのは、
とても気持ちが良かった。
息荒く、うっとりした表情でしばらく指を動かしていると、
刺激されたのかお腹の奥から熱いものが降りてきた。
沙絵子はためらわず、おしりの穴を指で割り開いた。

ぷすっ、ふしゅー……

気の抜ける音とともに、多量の熱いガスが噴き出した。
酷い臭いに自然と眉が寄る。
お腹に溜まっているものが減って少し楽になったが、
あくまで一時的なものだ。
詰まっている便を出さない限り、またガスが沸いて
ぱんぱんに張ってしまうだろう。
もう五日出ていない。便秘もそろそろ辛くなってきて、
その細い肩にもう一つ、重い秘密の悩みが乗った。



「ねぇ、知ってる?」
「うんうん、聞いた聞いた」
「でも、それって――」
放課後、バス停のベンチに友人たちとお行儀よく並んで腰掛けて
帰りのバスを待つ。
沙絵子の意識の半分はおしゃべりの内容から逸れていた。
おならしたい。さっきしたばかりなのに。

「ほんと?沙絵ちゃんすごくない?」
「ううんっ、たまたま知っ、てただけだからっ」
肛門をきゅっと締めて耐える。
プラスチック椅子の冷たさがおしりを通じてお腹に染み込んでくる。
眠っていた腸が刺激され、ぐるるっ、ごろっ、と小さく鳴り始めた。

(あれ、これって――)
鈍い腹痛と共に、おしりに感じる重い圧力。
出たがっているのはガスだけではない、気がする。

(出せる、かも……!)
周りの友達が同じ状況に置かれたなら、きっと家か、最低でも駅に着いて
皆と別れるまで我慢するだろう。
だが沙絵子は自分のお腹の気まぐれを知っていた。
便意が駅まで残っていてくれる保証はない。
そうなれば次に催すのは明日の授業中かもしれないし、
数日後に病院で浣腸された後かもしれないのだ。

「ごめんね、忘れ物しちゃったから、先帰ってて」
「あ、うん、わかった」
「ばいばーい」

平静を装って歩けたのは、校門のあたりまでだった。
時折窄まりを震わせ、音のない、酷い臭いの尾を引きながら、
沙絵子は走って新館のトイレを目指した。

無人であることを確認し、慌ただしく個室に飛び込んで下着を下ろし、
便座に腰掛けた瞬間、残っていた熱いおならが噴出した。
そして期待通り、おしりの穴のすぐ内側に硬く大きな塊があるのを感じる。
しかも、かなり強い力で外に出ようとしている。

「んっ……っ……!」
最初から全力で息む。強い便意がそれを後押しする。
沙絵子のお腹は普段あまり沙絵子の言うことを聞いてくれないが、
今この時は「うんちを出したい」という思いが一致していた。
頭の隅で不安の陰が何かささやいていたが、耳を貸す余裕はなかった。

「ん、ぐっ……!」
誰もいないトイレ。漏れる息み声はやや遠慮のないものだ。
おしりの穴とその周囲の肉がぷくりと盛り上がり、
奥のものを吐き出そうとする。
窄まりがほどけ始め、穴の奥にチョコレート色の塊が姿を見せた。

(あと、少しっ……!)
肛門が便に押し広げられるにつれ、不安も強くなっていく。
しかし、便秘という恥ずかしい病気に悩む心も、大量の大便をため込んだ体も、
五日ぶりの排便を切望している。今さら止めることは出来なかった。

みぢっ、にちちっ……

順調に出てきていた便が、一番太いところで引っかかる。
塊をおしりでくわえこんだまま、沙絵子はいったん息を吐いた。
上体を折り、両手を膝の上で組んで、祈るような姿勢をとって、
少しだけためらい、息を吸い、それから、ぐっと、強く踏ん張った。

「うぅんっ……!!」
いっぱいに開いた肛門が蠢き、便塊が外へ押し出される。
出せた。沙絵子の胸に安堵が広がりかけた瞬間、
ごつごつした硬い便の表面が「そこ」を抉った。

「っ!!」
激痛に目の前が滲む。塊はそのまま便器の中に落下し、
どぽん、と重い水音を立てた。

「はぁっ……はぁっ……」
弱々しく息をつきながら、沙絵子はしばらく放心していた。
まだ痔は治りきっていなかった。そして、今ので傷が開いてしまった。
やはり、もう数日排便を我慢しなければいけなかったのだ。

しかし、後悔に費やせる時間はそう長くなかった。
お腹がひくつき、便意が再び襲ってきた。
数日前、登校中に催した時には柔らかく繋がっていた便は
今や乾燥したコロコロの塊に千切れ、おしりの内側にいくつも詰まっている。
それらを痛みに怯え、苦痛に呻きながら一つ一つ産み落としていく苦行を、
沙絵子の体は求めていた。

(うんち、すごくしたい……でも、今したら、また……)
また、あの痛みを味わうことになる。
矛盾する二つの欲求の間で、沙絵子はしばらく悩んだ。
涙を指で拭い、まだ膨らんでいるお腹を意味もなくなで回した。
そしてため息をつき、険しい顔のままもう一度息み始めた。

「んっ…………!」

ぷちちっ……

「いっ、」

ぼちゃっ!

「は、ぁつ……!」
細めた目に、新しく湧いた涙が溜まる。
痛みを逃がすように細く息を吐き、もう一度。

「っ……!」
ぐぐっ、ぐ……!

今度の塊は、少し大きい。
二息分気張らないと、外へ出て行ってくれなかった。

「ふぅっ、んっ……、ぅあっ!!」

どぽんっ!

便座に腰掛けたまま飛び上がりそうなほどの痛みが走り、
出し終わってもなお、じんじんとおしりの穴を灼き続ける。
あと何回、これを繰り返さなければいけないのだろう。
胸の奥からこみ上げてきた感情に、目の前がさらにぼやけ、
唇が震え始めた。

「っぐっ」
口を押さえ、嗚咽を漏らすことは我慢したが、
次々と頬を伝う滴は止められなかった。

ある程度の量を出したことで弱まりはしたが、
まだお腹は中の老廃物を出すように命令してくる。
だが、もう沙絵子はそれに従えなかった。もう、痛いのは嫌だった。

水音と苦しげな声がかすかな嗚咽に代わってしばらくしても、
唯一閉じられた個室のドアは開かなかった。
その間に、便器の底に沈んだ塊から表面の血が溶けだし、
水を薄いピンク色に染めていた。



その日、沙絵子は初めて学校帰りに寄り道をした。
家と学校の中程、電車の窓から看板が見えたドラッグストア。
目当てのもの……痔の薬はすぐに見つかったが、
何か別のものを探しているふりをして、店内をしばらく歩き回った。
沙絵子にとってその箱は、「わたしは痔で悩んでいます」と書かれた
プラカードに等しく、手にとるどころか棚の前に立っただけで
鼓動が早くなった。

果たして数十分後、浮かない顔で駅のホームに立つ沙絵子のランドセルの奥に
押し込められていたのは、手荒れや切り傷に塗るただの軟膏だった。



夜。お風呂に入り、パジャマに着替え、あとは寝るだけにしておいて
それを取り出した。
ベッドの上に四つんばいになり、ズボンとパンツを下ろす。
そして綿棒の先端に薬をとり、おっかなびっくり窄まりに近づける。
傷がどこにあるのかは、何となくわかっていた。

「…………!」

薬の冷たさと、ぴりっと走った痛みが身を震わせる。
一度で足りるか不安になって、三度繰り返した。

肛門を刺激したせいか、学校で出し残したものが降りてきた気がした。
けれど沙絵子は無視を決め込み、服を直してベッドに潜り込んだ。
今日は、もう疲れた。早く眠りたかった。

灯りを消す。
独りきりの家は物音一つしない。両親とも帰りが遅くなると聞いた。
静寂に意識が溶けていく。

薬を塗ったおしりの、ねちゃねちゃする気持ち悪さ。
弱い腹痛と便意。かすかに疼く痔の痛み。
苦しい。寂しい。助けてほしい。

全てが闇に飲み込まれ、沙絵子は眠りに落ちた。




===========================================
あとがき

痔フェチというのはさらにニッチな方向だと思いますが、
少数とはいえ『シグリアへの道』とか『天国と痔獄』とかの傑作が残されているので
この機に見直してみるのはいかがでしょう
2017年12月17日 | Comments(4) | スカトロノベル
コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  2017年12月17日 23:56:11 編集
新作待ってました 嬉しいです
 URL 2017年12月20日 15:31:42 編集
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
>痔フェチ
主に羞恥や痛みに苦しむところが売りかと思いますが、
「かわいそうなのは抜けない」となるのも致し方ないですね
>軟膏
ボラギ〇ノールとかの専門のやつなら効くんじゃないでしょうか
>沙絵子
2013年6月ごろの「わるいこ」をご参照ください
牡蠣男 URL 2017年12月21日 00:27:39 編集
Re: タイトルなし
> 新作待ってました 嬉しいです

コメントありがとうございます。
私もコメントを頂けて嬉しいです
牡蠣男 URL 2017年12月21日 00:36:51 編集

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