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雨の日

雨の日

【投稿日】 :2011/03/27
【カテゴリ】:スカトロ(大) おもらし 
【あらすじ】:ある雨の日に、いろいろかわいそうなことになった女の子の話
昇降口には、誰もいなかった。
ユキちゃんはやっぱり待っていてくれなかった。

四月に二年生になって、チヒロはユキちゃんと別々のクラスになった。
ユキちゃんはチヒロと違って元気で明るくて、誰とでもすぐに友達になれる。
もう仲良しのグループを作ったみたいだ。
だから、きっと今日もその子たちと一緒に帰ったんだろう。
でも、クラスが変わってもこの前までは昇降口で待っててくれたのに。
チヒロちゃん帰ろ、って言ってくれたのに。
なんだか胸の奥が苦しくなって、チヒロは鼻をすすりあげた。

傘立てに残された何本かの傘は、どれもチヒロのではなかった。
確かに今朝差して学校に来て、クラスの傘立てに置いたはずなのに。
もう何度も見た。他のクラスの場所まで見た。ピンクの傘は何本かあったけど、全部違う。
……たぶん、だれかが間違えて持って帰ったんだ。
窓ガラス越しに外を見た。昨夜降り始めた雨が、今も止まずに色のない空から次々と落ちてきていた。
傘をささずに帰ったら、きっとびっしょり濡れてしまうだろう。

しばらく途方にくれていたチヒロを動かしたのは、
お昼休みからずっと落ち着かないお腹だった。
ウンチしたい感じは、襲って来るたびに強くなっている。
でもクラスの子に見つかるのはいやだから、あんまり学校ではしたくない。
今すぐ帰れば、家まで我慢できそうな具合だった。
チヒロは意を決して昇降口を出ると、雨の降りしきる校庭に飛び出した。

校門を抜け、右に曲がり、坂道をまっすぐ下る。
ドタドタと不揃いな足音を立て、水溜りの水を跳ね散らかし、転がり落ちるように走った。
それでも雨は容赦なくチヒロの髪を、服を、ランドセルを強く打つ。
雨を避けて休めそうな高架下に転がり込んだ時、チヒロは全身ぐしょぬれになっていた。

はあ。はあ。
息を切らしてうつむくと、しずくがいくつも地面に滴る。
細く枝分かれしておでこと頬に張り付いた髪の毛。
じっとりとまんべんなく湿ったTシャツとスカート。
歩くたびにぐちゅぐちゅ音がする靴と靴下。
ハンカチ一枚ではそれら全部はとてもぬぐい切れず、冷たい雨水がじわじわと
体の芯に忍び込む。
それが、少しの間忘れていたものを再び呼び起こした。

きゅうっ、とお腹が絞られるように痛む。
突然、お尻の穴が内側から膨らむような感じがした。チヒロの手の平は小さすぎて、
それを止めることはできなかった。

ぷうっ!

雨の音を切り裂いて、盛大なおならが響いた。
恥ずかしい、とは感じなかった。周りに誰もいないし、すればお腹が楽になるのに、
ガマンする理由なんてなかった。
チヒロはその場でしゃがみこむと、自分から気張っておならを絞り出そうとした。

ぷっ、ぷぴぴびびぃっ!

湿ってお尻に張り付いたパンツの中で、あぶくがいくつもはじけた。
もう出ない。おならはすべて出し切ってしまったらしい。
なのにまたお尻が熱い。形と重さのあるものが、じりじりとお腹の奥から這い降りてくる。
しゃがんだ姿勢だとそのまま出てしまいそうになって、
あわててお尻の穴をぎゅっと締めて腰を浮かせた。
ウンチがお尻のすぐ内側まで来ている。もう、あと少ししかガマンできない。
チヒロはへっぴり腰のまま、高架下から外へ出た。
かけっこのコースのようにまっすぐ伸びた帰り道。その先の、雨に霞む赤い屋根。
そこまで着けば。家に帰れば、トイレがある。ウンチできる。
そのゴールを見すえて、チヒロは再び走り出した。

あんまり運動は得意じゃないから、すぐに胸が苦しくなる。どくん、どくんと
頭の中で心臓が鳴っている。
でも、早く家に帰りたい。トイレに行きたい。ウンチしたい。
赤い屋根が少しずつ、でも確実に近づいてくる。もう少し。あとちょっと。

そのとき突然目の前の景色が流れて、めちゃくちゃにはじけて、そして気がついたら
地面がすぐ目のまえにあった。
右のひざこぞうが痛い。すごく痛い。
見ると、血と泥水と雨が交ざり合いながら足を伝い降りていた。
喉が勝手にひくっ、と鳴いた。胸がぎゅうっと苦しくなった。目の前がにじんできた。
泣いちゃう、と思った。
転んですりむいた足が痛いこと。ウンチをもらしてしまうかもしれないこと。
冷たい雨でびっしょりになったこと。買ってもらったばかりの傘をなくしたこと。
ユキちゃんがチヒロを待たないで別の友達と帰ってしまったこと。
新しいクラスで、友達ができないこと。
赤ちゃんみたいに何も考えずにわんわん泣けば、胸の奥の重いものが全部
流れ出ていってくれるような気がした。
でも、泣けなかった。泣いたらもう歩けないことを、頭のどこかで
わかっていたのかもしれない。
しゃっくりが一度出ただけで、涙はすっかり止まってしまった。

仕方なく手をアスファルトに突いて、ゆっくり起き上がる。
お尻の谷間が変に生暖かくてべとっとして気持ち悪い。もしかして転んだ拍子に、
ちょっと出てしまったのかもしれない。
そのおかげかどうか、ウンチの波は今は収まっていた。まだ歩ける。お家に帰らなきゃ。
チヒロは痛いほうの足をひきずりながら、ゆっくりと歩を進めた。
右足を出す。次は左足。また右足。左足。
かたつむりのようにのろのろと、次の一歩のことだけを考えて歩いた。

途中、チヒロは一度立ち止まった。今までで一番強いウンチしたさが襲い掛かってきて、
爪先立ちで、お尻をきゅうっと閉じてガマンしなければならなくなった。
汗と、たぶん先におもらししたウンチでぬるぬるして、ちゃんと締められないお尻の穴から
ウンチが顔を出しそうになって、もうだめ出ちゃう、と思ったまさにその時、
静かにおなかの奥へ戻っていった。

そうして、もう何年も何年も歩きつづけているような気持ちになってきた頃、
気がつけば見覚えのある玄関の前に立っていた。
普段の何倍もの時間をかけて、ようやくお家に帰ってきたのだ。

倒れこむように扉に飛びつき、中に入る。扉が閉まって、雨音がふっと途切れた。
そして、チヒロは家の中にいた。
居間からテレビの音が聞こえてくる。「じだいげき」だ。
いつものように、おじいちゃんが見てるんだろう。
台所から、おしょうゆの焦げたいい匂いがただよってくる。
ママが夕ごはんの支度をしてるのかな。
二階で話し声がする。お兄ちゃんが友達と電話してるんだ。

もう、お家にいるんだ。もう、ガマンしなくていいんだ。
今までチヒロの中で張り詰めていたものが、ふわり、と緩んだ。
お尻を少し後ろに突き出した、立ったままの姿勢で、チヒロは静かにおもらしを始めた。
もう進路を邪魔されることのなくなった今、ウンチがのんびりと降りてくる。
小さくすぼまった出口を、通れるように押し広げていく。

むりっ

ほんのさっきまでは嫌でたまらなかった、ウンチの頭がお尻の穴に
はさまっている感じがする。
でも今は、もう嫌じゃない。だって、もう家にいるのだから。
これから、このしたくてたまらないいっぱいのウンチを、思いっきり出してもいいのだから。

みちみちっ

しっかりと形のあるウンチが、ぐねぐねと曲がりながらパンツの中に積み重なっていく。
いつもより半日長くお腹の中にあったせいで、少し太い気がする。
お尻で詰まって、少しずつしか進んでくれない。

「ふうんっ、ううんっ」
いつしかチヒロは、自分からお腹に力をこめてきばっていた。
完全にしゃがみきってこそいなかったが、中腰で、足を少し開いたその姿勢は、
まるで和式トイレで用をすませて立ち上がりかけた時のようだった。
しかし、まだ終わりには遠い。だいぶお腹に残っている感じがある。

もりもりもりっ

踏ん張りで押されたウンチが勢いを増して吐き出され、湿ってお尻に張り付いていたパンツが
重みで、ずり、ずり、と下がっていく。
そして長い長い一本を吐き出し終わったおしりの穴がきゅっと窄まったちょうどその時、
こんもりとウンチを載せたパンツが、足の間の床に湿った音をたてて叩きつけられた。
白い、サクランボのワンポイントが入った靴下に、点々と茶色い染みがついた。
気付いていれば悲しんだろうが、今のチヒロは残ったウンチを出すのに忙しかった。

ぷりぷりぷり……

次のは先ほどの立派なものに比べて柔らかく、だいぶ細くなっていた。
もう、受け止めてくれるパンツはない。
そのまま、ぷらぷらと揺れながらしっぽのようにお尻から垂れ下がり、
20センチくらい伸びたところで落ち、こげ茶色にまみれたパンツを明るい黄土色で彩った。

ぷぅーーーーっ

最後に高い音のおならが出て、ようやくチヒロのおもらしは止まった。
おなかの中がからっぽになって、ウンチの臭いが足元から立ち上ってきて、
今ごろになって涙が、二滴三滴とチヒロの柔らかな頬を転がって落ちた。



カレーに入れる人参の皮むきをしていた母は、玄関から突然聞こえてきた凄まじい泣き声に
驚いて台所を出た。
声の主は、学校から帰ってきた自分の娘だった。
玄関先に突っ立ったまま、顔を真っ赤にして泣きじゃくっていた。
昔から大人くて手のかからない子で、こんなに大泣きするのを見るのは珍しい。
全身びしょぬれなのは、傘をなくしてかぶらずに帰ってきたからだろう。
右のひざから、たらたらと血が出ている。転んだのか。
臭いと思ったら、床に「おとしもの」が山を作っていた。学校ではできなくて、
我慢したまま帰ってきて力尽きたみたいだ。
母はそのどれかを叱ろうとして、やっぱり考え直して、かがみこんでチヒロを軽く抱いた。
体の冷たさが、濡れた服越しに伝わってきた。

「よしよし、つらかったね。よしよし」

手の平で冷えた腕を軽く叩いてあやすと、ママ、ママ、と呼びながら体重をこちらに預けてきた。
風邪をひく前に、お風呂をわかして入れなければ。傷の消毒もしなければならないし、
山盛りのウンチの片付けも必要だ。
けれどもう少しだけ、このまま抱きしめていてあげよう、と思った。



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あとがき

こういった感じのお下劣ノベルを書いていきたいと思います。
2011年03月27日 | Comments(0) | スカトロノベル
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