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あのこ

あのこ

【投稿日】 :2011/08/08
【カテゴリ】:スカトロ(大) 便秘 野外排泄
【あらすじ】:ある男の子と女の子の話


僕が小学生のころ、近所の家に洋子ちゃんという同い年の女の子が住んでいた。
色白な、どこか上品な感じのする大人しい子で、砂まみれで男子どもと混じって
球技に興じるような同じクラスの大多数の女子たちとは
少し違う雰囲気を持っていたように思う。
くりっとした大きな瞳と僕の目が合い、その艶やかな黒髪が揺れて甘い香りが漂うたびに、
理由もわからないのに僕は胸の鼓動を早くした。

お互いの母親同士が仲のよかったせいもあって、同じクラスになった四年生の春から
僕たちは毎朝連れ立って学校に行くことになった。
彼女の家のほうが学校に近いので、迎えにいくのはいつも僕のほうだった。
呼び鈴を押してしばらく待つと、たいてい彼女の母親が先に玄関先に出てきて
申し訳なさそうにこう言うのだ。
「ごめんなさいね。洋子、まだトイレが済んでないのよ」
僕の母よりもずいぶん若く見え、僕の好きだった女優に少し似ていたこの人と話すのは
いつでもちょっと緊張した。
やがて廊下の奥から水の流れる音が聞こえ、彼女本人が支度を整えて靴脱ぎ場に現れる。
「洋子、ちゃんとうんち出た?」
僕の目が気になるのか、彼女は母親の言葉に少し頬を赤らめて無言でこくんと頷く。
こんなやりとりのお陰で、彼女の家を出て数分は少し気まずい沈黙と共に
歩いていく羽目になるのだった。

ひと月に一度ほど、母に連れ立って彼女の家に遊びに行くこともあった。
だいぶ年季の入った区画に珍しい、小さな庭のついた白壁の洋風建築だった。
居間に通されて出されたケーキに舌鼓を打っていると、たいていすぐに
子供同士で遊んできなさいと許可が下りた。
そして彼女に手をとられて二階の部屋に上がり、棚を埋め尽くす縫いぐるみに
気恥ずかしさを感じながら、トランプやボードゲームで飽きるまで遊んだ。

その日も僕たちは仲良く床に寝そべって、押入れの置くから引っ張り出した
オセロで遊んでいた。
彼女の母親が差し入れてくれたクッキーとジュースに時々手を伸ばしながら、
勝ったり負けたりを何度か繰り返した時だった。
彼女が唐突に立ち上がり、ジュースをおかわりしてくる、と言い出した。
変だな、と思った。彼女のコップには、まだ三分の一くらい中身が残っているのに。
ただ、それを聞くのもなんだかおかしい気がして、僕は彼女の背中を黙って見送った。

さてそれからたっぷり十五分は経ったが、彼女は待てど暮らせど戻ってこない。
そのうちに、僕は朝済ませていなかった大きいほうの便意を急に催した。
女の子の、ましてや好きな子の家でトイレを借りるのは戸惑われたが、
だんだんそんなことを言う余裕もなくなってきて、
僕は廊下に出た。その突き当たりのドアが目的地だった。
しかしすでに先客がいた。うさぎの耳がついた小さなスリッパが、
ちょこんとドアの前に並んでいる。
そしてその横にはジュースが少しだけ入ったガラスのコップ。
誰が入っているのかは明白なはずだった。
だというのに僕は、ドアの前から離れられなかった。
彼女が出すかすかな音を聞き取ろうと、耳をそばだてていた。

「んぅっ、」
彼女がいま何をしているのか、何をしようとしているのか頭では理解できる。
しかし、あの柔らかでいい匂いがする体と、僕の体から毎朝出るあの汚いものを
結びつけることがどうしても出来なかった。
「っく、ふうっ、」
苦しげな息み声の合間に、ちゃぽん、とぷん、と小さな水音が混じる。
それが五、六回繰り返されて、がさがさと紙を弄る音が聞こえてきたので
僕はそっと扉から離れた。
案の定、すぐに衣擦れと水の流れる音が続いて彼女が出てきた。
扉のすぐ前に立っていた僕に驚いたようで、コップを片付けるのも忘れて目を伏せて
足早に横を通り過ぎていった。汗の匂いと微かな臭気が後を追う。
入れ替わりに個室に入り、ピンク色のふかふかの便座に腰掛けると、
裸の尻に接した部分にわずかな温かさが残っていた。
温便座の乾いた白々しいものではなく、汗の湿り気を帯びた彼女の体温。
消臭剤のラベンダーの奥にかすかに残った彼女の臭いを、
気がつけば僕は深々と吸い込んでいた。



あまり思い出したくないが、十月だかの確か月曜だったと思う。
朝、相も変わらず彼女を待ちながら、彼女の母親と話をした。
やはりドギマギしてしまってろくな返事はできなかったが、
やけに長い時間話していることがずっと気にかかっていた。
「あら、どうしたのかしら。ちょっと見てくるわね」
しばらくして中から、途切れ途切れに会話が聞こえてきた。と言っても、おそらく
個室の向こうの彼女の返事は聞き取れない。母親の声だけがやけに通っていた。
「洋子、まだ出ないの?あの子が迎えに来てるわよ……………
あらそう、困ったわね、お薬飲む?……そう………したくなったら、授業中でも
我慢しないできちんと行かなきゃだめよ?」

結局いつもの水音がないまま玄関の向こうに曇った顔の彼女が姿を見せ、
僕におそくなってごめんね、と言った。
僕はなんと返事をしたか覚えていない。
彼女の白いスカートの下、細い腰の中にぱんぱんに詰まった汚塊が眠っている。
そんなイメージが頭から離れず、上の空のまま彼女の隣に並んで歩き始めた。

お互いにほとんど喋らないまま、通学路も半ばまで差し掛かる。
大通りに掛かった横断歩道の前で赤信号を待っているうちに、
彼女の様子がどこかおかしいのに気がついた。
「はぁ………はぁ……、っふぅ」
立っているだけなのに荒い息。落ち着きなく踏みかえられる足。
信号に向けられた目もどこか焦点が合っていない。
顔を見ると、秋も深いというのにいつもより青白い頬の上に
玉のような汗が幾筋も伝っていた。
始めは単に溜まったままのものが気持ち悪いだけかと思ったが、
それだけではないことを彼女自身がすぐに証明した。

『プッ、プウッ』
自動車の行きかう騒音の中でも、その音は妙に目立った。
けれど、それが何の音かわかっても僕は彼女のほうを向かなかった。
『プブッ、プーッ!』
聞こえていても聞こえなかったふりをするのが、幼い僕が出来た唯一の気遣いだった。
「……うんち、したい」
熱い吐息に混じって呟いた声は妙に歪んでいた。泣いていたのかもしれない。
「……もう、出ちゃいそうなの。学校までガマンできない」
僕は彼女の汗ばんだ手を掴んで、青になった横断歩道を駆け足で渡った。

人気のない朝の住宅地を走る。
本当は近くの公園のトイレまで連れて行きたかったのだが、
半分もいかないうちに彼女がお尻を両手で押さえて立ち尽くしてしまった。
どうしよう、と辺りを見回すと、ちょうど道沿いに一面草の生い茂った空き地がある。
せめてそこまで間に合わせようと肩を貸した。
がくがくと小さく震える彼女の体からは、いつもと変わらないほのかな石鹸の匂いがした。

プッ、プッと絶えずおならを漏らしながら、どうやら草をかき分けて二、三歩進む。
しかし、それが限界だった。
パンツを引きおろすとほぼ同時にくずれるようにしゃがみ込む。
そのまま彼女の隣に立っているわけにもいかないので、
僕は草むらから出て自分から見張り役を買ってでた。
しかし、役に立っていたかというと自信がない。
彼女が傷つくと判ってていても彼女の姿を横目で見てしまうのを止められなかったし、
耳は全神経で彼女の立てる音を聞き逃すまいとしていた。
ほんの数メートル先、仕切りもない空間で憧れの女の子が野糞をしている。
その事実とも思えない突飛な事実に、この頃にはすでに芽生えていた僕の中の何かは
震えるほど興奮していたのだ。
「はー……はぁっ……んんくっ……」
荒い息と息み声の繰り返しだけで時間だけが過ぎていく。
背の高い草に下半身が隠され、白いお尻が所々覗くだけで
ここからでは『その部分』は見えない。
しかし彼女の苦しみようから推測するに、あれだけ外に出たがっていた塊は
いざとなるとなかなか出ないようだった。
「んんぐうんっ………っく、ひっく…」
やがて、ためらいを含んだ息みが普段の物静かな声からは
想像もつかない唸り声に変わり、さらに時折しゃくりあげるような声も混じり始めた。
どうしたの、と聞くと、かたくて出ないの、と言う。
そういえば土曜の朝呼びに行ったときには、呼び鈴を押してすぐ彼女が出てきた。
おそらくその日からずっとお通じがなく、二日間おなかの中で水分を吸い尽くされた
カチカチの便が出口をふさいでしまっているのだろう。
とはいえ、何も手伝ってあげられることはない。
彼女はもぞもぞ動いてしゃがみ直すと、鼻をすすり上げながら再び息み始めた。
「ふーっ、ふうっ、―――ふうんっ、ううんっっ!!」
ミチ、ミチ、と硬質の塊が外界に出ようともがく音が確かに聞こえた。
排泄行為を強く意識させるそれが、見えないはずの風景を
一刷毛一刷毛色鮮やかに描き出していく。
小さなお尻の穴から顔を覗かせた、グロテスクなまでに太い便塊の先端。
彼女が必死で息むたびにわずかに長さを伸ばし、
息をつくとぐぐりと引っ込んでしまう。
しかしついに均衡が破れ、最後の抵抗とばかりに肛門をいっぱいに押し広げながら
ゆっくりと前進し――

とさっ、となにか重いものが草を押しつぶして落ちた音を、
僕は頭の外と中から同時に聞いた。

「ふうっ……」
足を踏みかえ、息を整えると彼女は再び息み始めた。
今度はすぐに、ムリムリ、ニチニチ、という柔らかい音が聞こえてくる。
いつ終わるともしれないその音は、彼女のお腹に溜まっていたものの量の
すさまじさを教えてくれた。
「はー……はー……」
長時間の頑張りで大量の汚物を出して、体力を消耗したのか
彼女は汚れたお尻を拭くのも忘れてしばらく呆然としていた。
やがて青草の匂いとともに、彼女の出したものの臭いが風でこちらまで届く。
卵の腐ったような、鼻が曲がると言ってもいい悪臭だったが、
これがほんの数分前まで彼女のお腹に納まっていた様子を想像すると
頭の奥が痺れて、なぜかもっと嗅いでいたくなった。
やがて彼女も立ち上る臭いに気付いたのかティッシュで慌ててお尻を拭き、
茂みから出てきて恥ずかしそうに「行こ」と言った。

その日、遅刻ギリギリでなんとか学校に間に合ったものの、
僕は全然授業に集中できなかった。
彼女のショッキングな排泄シーンが無意識のうちに何度も頭の中で再生され、
いくら打ち消しても止むことがない。
やがてそれは一つの道しるべとなって、僕をそそのかすのだった。

一度家に帰った後、遊びにいくと嘘をついて外に出た。
走ったおかげで五分かそこらで目的地に着いた。
遠目からでも判る。生い茂った草の間に咲く、
所々茶色い泥のついたティッシュの白い花。
あそこに、ある。彼女が今朝、必死に息んでお腹から産み落としたものが。
僕は熱にうかされたように、その地点までふらふらと進んでいった。
一歩前進するたびに心臓が高鳴る。一歩。一歩。一歩。
次の一歩で、クチュ、と足の裏が地面ではない柔らかい何かを踏んだ。
後から考えるに、おそらく風で飛ばされたか何かでティッシュは
その場所を正確には指し示していなかったのだろう。
すなわち、その時僕の左足の下にあるものこそが、
僕が見たいと願っていたものだったのだ。
慌ててケンケンで足裏を確認すると、黒っぽいべっとりした何かが、
靴の半分を占拠してこびりついている。
そして地面にも、似たような冷たい塊がいくつも放置されていた。
過熱していた頭がすうっと温度を失っていく。
それはもはや、フンと呼ぶべきものだった。
道端に落ちている犬のそれと何の変わりもない、
友人が踏めばしばらく離れて歩きたくなる、
ただの汚いものに成り果てていた。
興奮が冷めると同時に、立ち上る腐臭で寒気が背筋を這い上がってくる。
情けない声を出してそこから飛びのくと、
誰かがすぐ後ろに立っている事にようやく気付いた。
手にスコップとビニール袋を持った、彼女だった。
事情を知らなければ犬の散歩中のようにも見えただろうが、
僕は彼女が犬など飼っていないことをよく知っていた。
「なに、してるの?」
どれだけ勇気を振り絞っても、僕は彼女の顔を見ることができなかった。
うつむいたまま、家に向かって全速力で逃げ出した。



結局僕はその後一度も彼女に謝らなかった。
きっと怒っている。きっと軽蔑している。
女の子の大便を見て喜ぶ変態だと思っている。
だから、近づくこともできなかった。
朝は彼女の家を無視して、こそこそと独りで登校した。
学校でも極力避けた。
そのうちに彼女が親の仕事の都合で海外に引っ越すことになり、
お別れ会の招待状を受け取った。
絶対来てね、と彼女の字で書き添えてあったけれど、
意気地のない僕は母の忠告からも耳をふさいで家に閉じこもっていた。
別れの当日も母が見送りに行った後、ベッドに潜って泣いていただけだった。

それからだいぶ日が経ったが、彼女とは今日まで一度も再会したことはない。
当初何通か手紙を受け取ったのと、数年前、
ヨーロッパのどこだかで結婚式を挙げたという葉書が舞い込んできただけである。

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あとがき

昔書いて某所に投稿したのをちょっと手直ししてほぼそのまま載せてみました
どうでもいい情報ですが、この話と被るのを避けるため
「初恋」(4月11日投稿したやつ)はあんな感じの変な話になりました
2011年08月08日 | Comments(1) | スカトロノベル
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  2023年11月05日 20:47:38 編集

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